leaders crosstalk

LEADER’S CROSSTALK

驚きを心に、世界に

HEROZが見据えるAIの未来

執行役員 VPoE
(Vice President of Engineering)

今井 達也さん

取締役 CTO
(Chief Technology Officer)

井口 圭一さん

執行役員 CSO
(Chief Strategy Officer)

関 享太さん

AIに何ができる?

AIに何ができる?

期待値を更に上回るために。

井口 HEROZの立ち上げが2009年。そこから将棋AIの開発やBtoB領域への応用とステップアップを続けてきましたが、AIに対する社会からの期待値の変化もその都度感じてきました。AI普及の当初は「AI=万能の予測機」といったイメージが強く、AIさえ使えば高い精度で予測ができると信じてご相談を受けるということもよくありました。

 確かに。深層学習ブームが2012年前後に起きて、そこからディープラーニングという言葉も一般に広まりました。私たちのようなAIや機械学習ベンチャーに対する期待も分不相応に高まりすぎた面もあります。

今井 いわゆるAIバブルですよね。企業が「試しにAIを使ってみよう」という風潮は、数年前まで続いていました。逆にAIが万能の予測器ではないということがわかると、過少評価されるお客様もいますよね。AIで何ができるのか、どう使うのかをしっかりと理解してもらうことは、エンジニアリングと同様に非常に重要なタスクだと思います。

井口 とりあえずAIを入れてみたいという段階が終了し、AIで何ができるのかが求められてきていますね。そういったビジネスの会話ができるためには、顧客の業界知見を蓄え、現場と直接「話せる」ということも重要な評価ポイントになってきています。

 そこも含めて、今後の業界は実際に価値を生みだせるプレイヤーに絞られていくでしょうね。「DX戦略の1つのパーツとして、機械学習でこれがしたい」というように、具体的かつプラクティカルな要求に対して、いかに応えていけるかが問われます。

今井 特に人間を超えるパフォーマンスをはっきりと示すことが重要です。これまでも将棋や囲碁だけでなく、顧客が開発したゲームでもプレイヤーに勝てるAIを開発したときや、クライアントの担当者より精度の高い売り上げ予測ができた時には「もっと早くお会いしたかった」と感激されたこともあります。

AIをビジネスに

AIをビジネスに

手探りで積み重ねてきたナレッジ。

井口 最初のBtoB案件は2016年頃の大手証券会社とのプロジェクトでした。当社COOの浅原がゴールドマン・サックス社出身で金融に造詣が深いこと、私も個人的に金融に興味を持っていたことでスタートしました。BtoBは金融を起点としてエンタメ、建築と業種の幅を広げてきましたが、関さん、今井さんにもこれまでかなりのプロジェクトに参加してもらっています。

 私は3年ほどで大小含めて100近いプロジェクトに携わってきました。100という件数も感慨深いですが、振り返ってみると成功より失敗したことの方が印象に残っています。プロフェッショナルである以上失敗は許されるべきではありませんが、そこから多くのことを学んだことも事実。今は既視感というか「このケースではこう仮説を立てて進めれば良いな」と感覚的にわかるような瞬間があって、仰る通り手探りでAIの産業応用という新しい分野を切り開いてきた結果、自分自身の成長を実感することもできましたし、価値を生み出せているなと感じることもできています。

今井 私も100前後の案件を経験してきました。期待値の話にも通じますが、AI技術の精度だけでなく、使い方の面も意識してきました。たとえばゲームAIは、人間の対戦相手だけでなく人間のプレイのサポートやゲームのバランス調整にも生かせる。AIの新しい使い方を提示して、更に顧客の作業の改善や効率化につなげられれば、より高く評価されますね。この技術の使い方というのはHEROZが得意としているところでもあるので、今後はもっとPRしていくつもりです。

技術×技術=尖る

技術×技術=尖る

柔軟でしなやかな力が強みに。

井口 ゲームAIのプログラミングコンテストやデータ解析のコンペティションで高い実績を持つメンバー、将棋AIをやっているメンバーが結果を出してこられたのは、複数の技術を組み合わせてきたことも大きく関係していて、技術の組み合わせもうちの強みの一つです。ディープラーニング専門、画像処理専門というAIベンダーはありますが、ビジネスの世界で実際の課題を解決するときには、単一の技術だけでは難しいんですよね。また、これまで金融、建設、エンタメといったフィールドごとに、どうすればAI技術を生かせるのかというドメインナレッジを積み重ねてきたことも、大きな武器になっていると思います。

 確かにうちにはマシンラーニングの専門家でありながらドメインナレッジもわかる、あるいはビジネス職でありながらデータベースも操作できるなど、専門性の求められるスキルをかけ合わせられるメンバーが揃っています。これは当社が目指すバリューのひとつ「尖る」にもつながりますね。

今井 これからHEROZに入ってくる人には、幅広いことに好奇心や興味を持って、知識や技術を吸収することを意識してほしいんです。今ある知識や能力だけではそれ以上の成長は見込めないし、これからの社会ではなおさら厳しくなる。幸い当社のメンバーは自分の興味が赴く範囲で、いろいろなことにチャレンジしてくれています。

井口 確かに一つのことにとらわれず、幅広い技術を強めていかなければ、ビジネスで活躍するシーンは減るでしょうね。実際に技術の幅が広い人ほど、いろいろなプロジェクトで活躍している印象があります。

 組織としてもレジリエンスが高いというか、顧客の要望に合わせてプロジェクト体制を組み変える柔軟さもあります。組織拡大という点では別の見方も必要かもしれませんが、変化に強い組織であることは強みだと思います。

We are waiting for you.

未来への可能性

個別のプロジェクトから社会課題まで。

井口 個別の顧客が何を求めているのかをより明確に把握することと、それに対する技術的なアプローチを深めていくことが、より精度の高いAI技術を生み出すという意見もあり、より個別の課題に寄り添える精度の高いAI技術の開発には、今後さらに注力しなくてはなりません。それと同時に1つのプロジェクト、単一の企業だけではカバーしきれない課題というものがあり、業界全体に貢献するAIも求められるようになっています。ここにも我々がこれまで培ってきた知見を活かせる形でサービスを提供していきたいと考えています。

今井 AIを含むデータサイエンスはビッグデータを所有する海外の大企業を先駆けとして発展してきましたが、大企業の一部署や中小企業の保有するデータ量では同じ方法はあまりうまく機能しません。そのためデータ以前の古典的なサイエンスと同様に、ドメイン知識をよく理解して専用の方法やモデルを構築するやり方で個別課題の解決に取り組んでいる、というのがAI・データサイエンス業界の現状です。一度そうした枠組みを外れて、より広い範囲からビッグデータを集める方法を私たちも、社会も、真剣に考えるべきだと考えています。

 それにはマネタイズとの両立もしっかり考える必要もあると思います。建設業界で言えば、例えば現場の安全管理や資格保有者の減少、高齢化など、業界全体が認識している課題が多々ありますが、中々思い切った投資が出来ずに、解決されていないままになっている課題がたくさんあります。当然上場企業として利益を生み出すことが前提になりますが、AI専業プレイヤーとしてなのか、それともより大きなビジネススキームを構築することを前提に解決を図るのか、今後しっかり見極めながら、HEROZが業界の共通課題にどう貢献できるのかを考えていく必要があります。

井口 社会に広く貢献するAI技術を提供するという視点は「世界を驚かすサービスを創出する」というHEROZの理念にも通じます。たとえば業界共通の課題解決に応用できるパッケージ型のAIプロダクトをつくって、広く提供することもその方法のひとつです。スケールの大きな話だけに我々単体では難しいかもしれませんが、顧客も巻き込んで進めていけば実現できると考えています。

We are waiting for you.