HEROZ株式会社(以下、HEROZ)AIエンジニア青木栄太が開発したAI「Sounder」が、立命館大主催のコンペティション『DareFightingICE:AI Track』にて優勝いたしましたのでお知らせいたします。
■『DareFightingICE:AI Track』とは
2022年8月21日~8月24日に北京で開催されている学会『IEEE COG 2022』の催しの一つで、格闘ゲームを操作するAIを開発する大会(以下、本大会)です。AIへの入力は音のみで、数値情報・画像・スタート位置といった情報は一切与えられません。
本大会は以下の2ルールでそれぞれリーグ戦を行い、順位に応じたポイントの合計点を競います。
ルール1:作成したAI同士を対戦させ、残HP(※1)の高い方が勝ち
ルール2:作成したAIと、運営の用意したサンプルを対戦させ、サンプルを倒した速度が速い方が勝ち
■青木のコメント
画像のみで格闘ゲームのAIを開発する手法は広く研究されています。本大会のルールを最初に読んだ段階では、画像用の手法を音入力に適用すればよいと考えました。しかし、詳しくルールを読むと、自分がスタート段階で右側なのか左側なのかわからないことがわかりました。初期位置さえわかれば、途中のステレオ音源や自身の入力から相対的に情報を更新することも検討できましたが、今回のルールではそれも難しいと判断しました。そこで、よりシンプルにコマンドの対称性を利用するという方針にし、それがうまくハマった形となりました。
本大会のゲームは自分が向いている向きによってコマンドが水平方向に反転します。つまり、右向きの時に「右、右下、右、A」で発動するコマンドは「左、左下、左、A」で発動します。自身の向きがわからないという制約上、自分がどのコマンドを出せばどの技を出せるかわかりません。そこで、コマンドが左右対称である2つの技をペアとして、どちらの技が出ても自身に有利になる技を出すように工夫しました。
また、本大会のゲームにはエネルギーという概念があります。強い技はエネルギーが貯まらないと発動できませんが、エネルギー情報を取得することもできないため、エネルギーが必要な技とエネルギー不要な技を交互に指示することで、どのエネルギー状況でも安定して行動できるようにしました。
もし第2回の大会があれば、自分の向きを学習するアイデアを思いついているため、ぜひ試してみたいです。
※1ヒットポイント(対戦者の体力を数値化したもの)
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【HEROZ株式会社について】
HEROZは、今後も独自AI「HEROZ Kishin」を軸にディープラーニング(深層学習)等の機械学習の研究開発やビジネスに実戦的な応用を続け、AI革命を起こし、未来を創っていきます。
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HEROZ株式会社 広報担当
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